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Guide — 航空法と実務

ドローンを飛ばすには

買ってすぐ飛ばしてはいけない、とは聞く。では何をすれば飛ばせるのか。機体の重さを量るところから、飛ばした後の記録まで、順番どおりに書きます。

30 秒でわかる要点

  • 100g 以上は「無人航空機」。機体登録とリモートIDが義務。
  • 場所空港周辺・150m 以上・人口集中地区・緊急用務空域は、飛ばすのに許可が要る。
  • 飛ばし方夜間・目視外・30m 未満・催し物上空・危険物・物件投下は、承認が要る。
  • どれにも当たらないなら、航空法上の許可・承認なしで飛ばせる。ただし土地の同意と条例は別。
  • 資格は多くの場合は必須ではない。有人地帯の目視外(レベル4)だけは一等が要る。
  • 飛ばした後特定飛行なら飛行日誌が義務。位置の記録は残しておくと後で効く。

制度は 2026-09-16 時点。改正は年に一度は入ります。ページ末尾の国土交通省の一次情報で最新を確認してください。

1. まず、機体の重さで決まる

航空法の対象になるかどうかは、バッテリーを含めた重量が 100g 以上かで決まります。 100g 以上なら「無人航空機」。このページの手順がすべて当てはまります。

100g 未満は「模型航空機」として、機体登録と許可・承認の仕組みからは外れます。 ただし外れるのは航空法の一部だけです。空港周辺と 150m 以上の高さは 100g 未満でも規制され、 国の重要施設や原子力事業所の周辺を禁じる小型無人機等飛行禁止法は重さに関係なく適用されます。 「トイドローンだから何をしてもいい」ではありません。

2. 飛ばす前に:機体登録とリモートID

100g 以上の機体は、飛ばす前に国土交通省へ登録します。 登録はドローン情報基盤システム(DIPS 2.0)からオンラインで行い、 登録記号(JU で始まる番号)が発行されます。 この番号を機体の見える場所に表示します。登録の有効期間は 3 年で、更新が要ります。

登録した機体には、飛行中に識別情報を電波で発信するリモートIDの搭載が原則として求められます。 機能を内蔵した機体はそのまま使え、無い機体には外付けの発信機を取り付けます。 リモートIDが免除される例外(係留して飛ばす場合など)もありますが、まず「原則は搭載」と覚えておくのが安全です。

登録が済んだ機体は、Airffic World のトップから登録番号を登録しておくと、飛行中の位置と高度をライブマップで追えるようになります。

3. 飛ばしてはいけない空域(許可が要る場所)

次の空域で飛ばすには、国土交通省の許可が要ります。

どこか調べ方
空港等の周辺空港・ヘリポートの周りに設定された空域DIPS 2.0 の地図
地表から 150m 以上高さの基準は「地表・水面から」機体の高度表示
人口集中地区(DID)国勢調査で定められた市街地。都市部はほぼ全域国土地理院 地理院地図の DID レイヤー
緊急用務空域災害時などに一時的に設定される国土交通省の告示・DIPS 2.0

上の 4 つとは別に、小型無人機等飛行禁止法により、国会・首相官邸・皇居・原子力事業所・在日米軍施設などの周辺は、重さに関係なく飛行が禁止されています。

4. 承認が要る飛ばし方

場所とは別に、飛ばし方にも制限があります。次の方法で飛ばすには承認が要ります。

  • 夜間飛行日没から日出まで
  • 目視外飛行肉眼で機体を見ずに飛ばす。FPV ゴーグルも目視外
  • 30m 未満人・建物・車などから 30m 以上離せない
  • 催し物の上空イベント・祭り・スポーツ大会など
  • 危険物の輸送燃料・農薬など
  • 物件投下農薬散布・荷物の投下

許可が要る空域での飛行と、承認が要る飛ばし方を合わせて「特定飛行」と呼びます。 特定飛行に当たらない飛行——空港からも都市部からも離れた場所で、昼間、目視の範囲で、 30m 以上離して飛ばす——なら、航空法上の手続きは機体登録だけです。

5. カテゴリーと技能証明

特定飛行は、人への危険の度合いでカテゴリーに分かれ、上に行くほど要件が重くなります。

どんな飛行か要るもの
カテゴリー I特定飛行に当たらない機体登録のみ
カテゴリー II特定飛行だが、第三者の上は飛ばない(立入管理する)許可・承認。技能証明と機体認証があれば申請の一部が省略できる
カテゴリー III第三者の上空を飛ぶ(有人地帯の目視外、いわゆるレベル4)一等技能証明 + 第一種機体認証 + 許可・承認

無人航空機操縦者技能証明(一等・二等)は 2022 年 12 月に始まった国家資格です。 持っていなくても、カテゴリー II までは許可・承認を取れば飛ばせます。 資格の価値は、申請の手間が減ることと、カテゴリー III への道が開くことにあります。 民間のスクール修了証は国家資格ではありませんが、申請時に操縦経験の証明として使えるものがあります。

6. 手順:買ってから飛ばすまで

  1. 01機体の重さを確認するバッテリーを含めた重量が 100g 以上なら、航空法上の「無人航空機」です。以下の手順がすべて当てはまります。100g 未満でも、空港周辺や 150m 以上の高さ、重要施設の周辺には別の規制があります。
  2. 02DIPS 2.0 で機体を登録する国土交通省のドローン情報基盤システム(DIPS 2.0)でアカウントを作り、機体を登録します。登録記号(JU で始まる番号)が発行されるので、機体の見える場所に表示します。登録は 3 年ごとに更新が要ります。
  3. 03リモートIDを備える登録した機体は、飛行中に識別情報を電波で発信する「リモートID」の搭載が原則として必要です。内蔵している機体はそのまま、無い機体は外付けの発信機を取り付けます。
  4. 04飛ばす場所と飛ばし方を確認する空港周辺・地表から 150m 以上・人口集中地区(DID)・緊急用務空域で飛ばすには許可が要ります。夜間・目視外・人や物から 30m 未満・催し物の上空・危険物の輸送・物件投下は承認が要ります。どれにも当たらなければ、許可・承認なしで飛ばせます。
  5. 05必要なら許可・承認を申請する上の空域や方法に当たる場合は、DIPS 2.0 から国土交通省へ申請します。審査には日数がかかるため、飛行日の 10 開庁日以上前に出すのが目安です。包括申請(期間・範囲をまとめて申請する方法)も使えます。
  6. 06飛行計画を通報する許可・承認が要る飛行(特定飛行)を行うときは、飛行前に DIPS 2.0 から飛行計画を通報します。他の機体との重複を避けるための仕組みです。
  7. 07飛行前に点検する機体の外観、バッテリー、プロペラ、通信、GPS の受信状況、周囲の人と物、天候と風速を確認します。飲酒しての操縦は禁止です。
  8. 08飛行日誌をつける特定飛行を行った場合は、飛行の日時・場所・時間・操縦者・機体の点検整備の記録を残す義務があります。特定飛行でなくても、記録は残しておくと後で役に立ちます。

7. 飛ばすときに守ること

許可・承認の有無にかかわらず、すべての飛行で守る事項が定められています。

  • 飲酒した状態で操縦しない
  • 飛行前に機体・気象・周囲を確認する
  • 有人航空機と衝突しないよう、見つけたら降下・退避する
  • 他人に迷惑をかける飛ばし方(急接近・騒音など)をしない
  • 特定飛行を行うときは、飛行計画を通報し、飛行日誌を残す
  • 人の死傷・第三者の物件の損壊・航空機との衝突など、事故が起きたら国土交通省へ報告する

8. 航空法の外にあるもの

航空法をクリアしても、それだけでは飛ばせない場所があります。よく見落とされるのは次の 4 つです。

何が問題になるかどうするか
土地の所有者・管理者他人の土地の上空も、低い高さでは所有権が及ぶ離着陸する場所と、飛ぶ範囲の管理者に同意を得る
公園・河川・海岸多くの自治体が公園でのドローンを禁止または許可制にしている管理する自治体・事務所の規則を確認する
道路道路上での離着陸や、交通の妨げになる行為必要なら道路使用許可(警察署)
電波5.7GHz 帯の FPV など、機器によっては無線局の免許が要る技適マークの有無と、使う周波数帯を確認する

9. 飛ばせる場所の探し方

初めて飛ばすなら、手続きが要らない場所を探すのが近道です。 条件は「空港から離れている・DID の外・150m 未満・人や物から 30m 以上・昼間」。 これを満たす場所は、地方の私有地(同意を得たもの)、ドローン練習場、 四方と上をネットで囲った屋内施設に多くあります。

練習場は有料のところが多いですが、許可・同意・保険の確認が済んでいる分、 最初の数回は結局それが一番安く済みます。

10. 違反したとき

登録していない 100g 以上の機体を飛ばす、許可・承認が要る飛行を無許可で行う、 飲酒して操縦する——いずれも航空法違反として、懲役または罰金の対象になります。 金額や刑の上限は改正で変わるため、ここには数字を書きません。 下の国土交通省のページで確認してください。

数字より覚えておくべきなのは、事故が起きたときに「登録・許可・日誌」の有無が最初に問われるということです。 記録が残っている操縦者と、残っていない操縦者では、その後がまったく違います。

飛ばした後:位置を残す

飛行日誌は特定飛行では義務、それ以外でも残しておくと、後から「いつ・どこを・どの高さで」を説明できます。 紙でも構いません。ただ、位置の記録を手で書くのは現実的ではありません。

Airffic World は、登録した機体から送られる位置と高度を地図に出し、履歴として残します。 機体側で位置を送る仕組みが要るので、対応の仕方は開発者ガイドに書いてあります。許可・承認の申請を代行するサービスではありません。そこは正直に。

よくある質問

ドローンを飛ばすのに資格は必要ですか?

多くの飛行では必須ではありません。無人航空機操縦者技能証明(一等・二等)は国家資格ですが、資格が無くても、機体登録と必要な許可・承認があれば飛ばせます。資格が効いてくるのは、人口集中地区での目視外飛行など、条件を満たすと申請の一部が省略できる場面と、有人地帯での目視外飛行(レベル4)を行う場面です。レベル4 には一等の技能証明と第一種機体認証が要ります。

許可なしで飛ばせる場所はありますか?

あります。空港周辺でも 150m 以上でも人口集中地区でも緊急用務空域でもない場所で、昼間に、目視の範囲内で、人や物から 30m 以上離して飛ばすなら、航空法上の許可・承認は要りません。ただし土地の所有者・管理者の同意、公園や河川の管理者の規則、条例は別に確認が要ります。屋内や、ネットで四方と上を囲った場所は航空法の対象外です。

100g 未満のトイドローンなら何もしなくていいですか?

航空法の機体登録や許可・承認の対象からは外れます。ただし、空港周辺や 150m 以上の高さは 100g 未満でも規制があり、国の重要施設や原子力事業所などの周辺を禁止する小型無人機等飛行禁止法は重さに関係なく適用されます。土地の所有権や条例も同じです。

人口集中地区(DID)かどうかはどこで調べられますか?

国土地理院の地理院地図で「人口集中地区」のレイヤーを表示すると確認できます。DIPS 2.0 の地図でも、空港周辺の空域と合わせて確認できます。東京 23 区や政令市の市街地はほぼ全域が DID です。

登録をしないで飛ばすとどうなりますか?

登録していない 100g 以上の機体を飛ばすと、航空法違反として懲役または罰金の対象になります。許可・承認が要る飛行を無許可で行った場合も罰金の対象です。金額や刑の上限は改正で変わることがあるので、本文末尾の国土交通省のページで確認してください。

申請から許可が下りるまでどれくらいかかりますか?

国土交通省は、飛行開始予定日の 10 開庁日前までの申請を求めています。実際には内容の補正で往復が生じることが多く、初回は余裕をみて 3〜4 週間前に出すのが無難です。

登録した機体を、飛んでいる間に地図で見ることはできますか?

Airffic World でできます。機体の登録番号(リモートID)を登録し、機体から位置情報を送ると、ライブマップに現在地と高度が出ます。飛行の履歴も残るので、飛行日誌の裏付けとして使えます。Airffic World は許可・承認の申請そのものを代行するサービスではありません。

一次情報(国土交通省)

このページは 2026-09-16 時点の制度を、次の一次情報にもとづいて整理したものです。 申請の前には必ず原典を確認してください。

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