Guide — 風

ドローンは風速何メートルまで飛ばせるか

答えは「風速 5m/s 以上なら飛ばさない」。国土交通省の航空局標準マニュアルの線です。ただし天気予報の風速は 10 分間の平均で、瞬間的にはもっと強く吹きます。見るべき数字は、平均と瞬間の二つです。

短い答え — 国交省マニュアルの 5m/s

国土交通省航空局の標準マニュアル②(DID・夜間・目視外・30m・危険物・物件投下。令和 7 年 12 月 26 日版)は、飛行の体制の項でこう書いています。

「風速5m/s以上の状態では飛行させない。」
「ただし、風速5m/s以上の状態で飛行可能であることを、製造者等が定める取扱説明書等にて確認している場合は、その条件による。」

つまり、基本は 5m/s 未満。それを超えて飛ばしてよいのは、機体の取扱説明書等が「その風でも飛べる」と書いている場合に、その書かれた条件の範囲だけです。 このマニュアルは、国交省が飛行許可・承認の申請用に掲載している標準の飛行マニュアルです。申請に使ったマニュアルと許可・承認の条件は、手元の書面で確かめてください。

天気予報の「風速」は平均。瞬間はその上を吹く

気象庁の用語では、風速は 10 分間の平均、瞬間風速は 3 秒間の平均です。 そして気象庁は「瞬間風速は平均風速の 1.5 倍程度になることが多いですが、大気の状態が不安定な場合等は 3 倍以上になることがあります」と注記しています。

予報の平均風速だけを見て「5m/s を下回っているから大丈夫」と決めると、瞬間の風はその線を超えていることがあります。 予報を見るときは、平均風速と最大瞬間風速(突風)の両方を見てください。

気象庁の意味ドローンにとって
風速10 分間の平均5m/s の線と比べるのは、まずこの数字
瞬間風速3 秒間の平均。平均風速の 1.5 倍程度が多く、不安定なときは 3 倍以上機体が実際に受ける強さ。平均が線の下でも、ここが線を超える
予報の「やや強い風」風速 10m/s 以上 15m/s 未満この言葉が出た時点で、5m/s の線を超えている

出典:気象庁「風」「風の強さと吹き方」。表の右の列は、左の列とマニュアルの 5m/s を突き合わせた読み方です。

もう一つ、気象庁の注意書きがあります。風速は地形や周りの建物に影響されるので、その場所の風は近くの観測所の値と大きく異なることがある。 予報の数字は目安にとどめ、現地で風を測るか、機体を低い高さでホバリングさせて流され方を見てから上げてください。

機体の「最大風圧抵抗」は、飛ばしてよい風ではない

メーカーの仕様表には「最大風圧抵抗(Max Wind Speed Resistance)」が載っています。機体が耐えられる風の上限で、この風の中でも作業が安全にできる、という意味ではありません。電池の減り方、帰還にかかる時間、着陸時の流され方は、上限に近づくほど悪くなります。

機種最大風圧抵抗出典
DJI Mini 4 Pro10.7 m/sDJI 公式の仕様表 ↗仕様表の Max Wind Speed Resistance(英語のページ)
DJI Air 3S12 m/sDJI 公式の仕様表 ↗仕様表の Max Wind Speed Resistance(英語のページ)
DJI Matrice 4E / 4T12 m/sDJI 公式の仕様表 ↗仕様表の注記は「離着陸時の最大風圧抵抗」(英語のページ)

値は 2026-10-25 に各社の仕様表で確認したものです。ここに無い機体は、その機体の取扱説明書と仕様表の値を使ってください。 標準マニュアルの 5m/s を外す根拠になるのは、仕様表の上限値ではなく、取扱説明書等に書かれた「この条件で飛行可能」という記載です。

当日、飛ばすかどうかを決める順番

  1. 前日に予報を見る。飛ばす時間帯の平均風速と最大瞬間風速、雨の予報。「やや強い風」とあれば、この時点で日を変える。
  2. 自分の線を決める。標準マニュアルなら平均 5m/s 未満。取扱説明書がそれ以上を認めていても、その条件を超えない。
  3. 現地で確かめる。観測所の値と現地は違うことがある。低くホバリングさせ、流され方を見る。
  4. 飛行中に強い突風が来たら、すぐ降ろす。標準マニュアル②は、5m/s 以上の突風など安全に飛ばせない事態では即時に中止するとしています。
  5. 雨、または雨になりそうなら飛ばさない。取扱説明書等が雨中の飛行を認めている場合を除きます(標準マニュアル②)。

風は、飛ぶ前に確かめることの一つにすぎません。空域・許可・機体・電池・周りの人まで、前日から着陸後までの確認は飛行前点検チェックリスト(Airffic Flight Institute)にまとめてあります。飛ばす場所が許可の要る空域に当たらないかは飛行禁止区域の調べ方で確かめられます。

よくある質問

ドローンは風速何メートルまで飛ばせますか?

国土交通省の航空局標準マニュアル②は「風速5m/s以上の状態では飛行させない」と定めています。ただし、5m/s以上で飛行できることを製造者の取扱説明書等で確認している場合は、その条件によるとしています。

天気予報の「風速4メートル」は、上空でも4メートルですか?

同じとは限りません。気象庁によると、予報や観測でいう風速は10分間の平均で、瞬間風速は平均風速の1.5倍程度になることが多く、大気の状態が不安定なときは3倍以上になることもあります。また、その場所の風は地形や周りの建物の影響で、近くの観測所の値と大きく異なることがあります。

機体の「最大風圧抵抗」の値までなら飛ばしてよいですか?

その値は機体が耐えられる風の上限として製造者が示すもので、飛ばしてよい条件そのものではありません。例えば DJI Mini 4 Pro の仕様表の値は 10.7 m/s です。標準マニュアルの 5m/s の線を外せるのは、取扱説明書等で 5m/s 以上でも飛行可能と確認している場合で、その条件の範囲に限られます。

飛行中に風が強くなったら?

標準マニュアル②は「5m/s以上の突風が発生するなど、無人航空機を安全に飛行させることができなくなるような不測の事態が発生した場合には即時に飛行を中止する」としています。

雨の日は飛ばせますか?

標準マニュアル②は「雨の場合や雨になりそうな場合は飛行させない」としています。雨でも飛行可能であることを取扱説明書等で確認している場合はその限りではない、とも書かれています。

出典

2026-10-25 に次の資料の本文を確認して書きました。このページは解説で、法的な判断ではありません。許可・承認の条件と、機体の取扱説明書が優先します。

更新日:2026-10-25

飛ばす時間の風を、時間ごとに

Airffic Weather の「飛行判断」は、風(10m・80m)と突風と降水の予報を時間ごとに並べ、自分で決めた上限を超える時間を赤く示します。上限は取扱説明書と許可の条件に合わせて入れてください。

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